速読自体は大学のときからトレーニングしてたんですが、その速読は全文読みの速読でした。最近フォトリーディングの話をよく聞くようになったので、じゃあどういうものか見てみようか、ということで買ったのがこの本です。
フォトリーディングとは、簡単にいうと、ページ全体を一目で見て見開き1ページを1秒で読むというもの。さて、文字がびっしり書かれた文庫本を見開き1ページ1秒でめくって内容がわかるでしょうか?
答えはNo。
ものの本によると、フォトリーディングとは、写真を見るようにその図を頭に写し取る・・・すなわち、ページ丸ごと記憶する、と紹介されています。
どうみても超魔術です。1秒でめくっていって内容がわかるわけがない。
ところが、この本はそんな考えをも覆します。
曰く、フォトリーディングとは、速読法ではない、と断言します。
なぜなら読書とは、本の中身を理解することであるため、写真を写しとるように記憶するのは、万が一できたとしても理解していないため、それは読書ではない。
そんな話を書いておきながら、この本はフォトリーディングを紹介している本です。
この本ではフォトリーディングを、無意識を司る右脳に本の印象を叩き込むものとして、紹介しています。実際の理解する読書の助けをするのがフォトリーディング。
だから、フォトリーディング単体では意味をなしません。
実際に使う場合は、まず、右脳に印象づけるためにフォトリーディングを行います。フォトリーディング自体は、本を参考にして欲しいのですが、この時点では、無意識層に印象づけているだけなので、本の意味はわかりません。理解していないのです。
そして、その後にフォトリーディングしてしばらくしてから本を読みます。普通に全文読みしてもいいし、慣れた速読法があるならそれでもいいでしょう。こうすることにより右脳に入っていた情報が活性化され、理解が速くなります。そのため、フォトリーディングを行わないよりも速く本を読むことができ、右脳も使うので記憶にとどまりやすくなります。
これがフォトリーディングの効果です。1秒に1ページめくるという特異な点のみ目に付き誤解を与えていますが、実際には地味な下地作りの作業がフォトリーディングなのです。
- 作者: 神田昌典,フォトリーディング公認インストラクターズ
- 出版社/メーカー: フォレスト出版
- 発売日: 2005/05/24
- メディア: 大型本
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本を読んでいて、このフレーズ読んだことあるかも?といったデジャブを経験したことはありませんか?フォトリーディングでは、そんな誰にでもある無意識層での活動を読書に利用するものなのです。だから、トレーニングも不要、即戦力として利用することができるわけです。
というわけで信じてみる気になりました。
ちなみにやってみた経験談ですが・・・これといった効果があるような感じではありませんが、読書スピードが上がった印象はあります。・・・あ、フォトリーディング後の読書スピードです。
ただ、1秒でページをめくるっていうのを電車の中ではやりたくないですね。家でフォトリーディングして、電車で読む、という形がスマートでいい感じです。
フォトリーディングを使える人に、フォトリーディングだけが終わった時点でその本について話をしてみてください。もし、すらすら話をすることができたなら、その人は魔術師であり、フォトリーダーではありません。