昨日、サイエンスドーム八王子で開かれた講演会に行ってきました。
タイトルは、『帰ってくる小惑星探査機「はやぶさ」 JAXA技術者が語る「はやぶさ」ストーリー』。
講師の方が、『宇宙の電池屋さん』こと、曽根理嗣氏でした。はやぶさのリチウムイオン電池と言えば、温度管理はどうやっているのか、深放電状態からどうやって電圧を復帰させたのか・・・といった疑問がいくつも浮かんできました*1。後者は講演会であきらかになったのですが、前者については質問したかったなぁ。
講演会中、メモを取りました*2。始めて聞くような貴重な話もちらほら。
講演会の内容は下の方で。
講演会終了後、続けてプラネタリウム番組の『HAYABUSA 〜Back to the Earth〜』を観ました。が、ショートバージョン・・・ちょっと残念・・・。でも、最後のシーンに「2010年1月現在、順調に運用中」とあった。府中市郷土の森のやつは、「2009年6月現在・・・」だから新しいバージョンみたい。
そうか、最近この番組を上映するプラネタリウムが増えたのは、ショートバージョンが出たからか。
そういえば、6月の地球帰還があるので、この番組のアップデートが予定されているようですね。
はやぶさに関連する講演会はこれで2度目です。1度目はたまたま、会社で参加していたフォーラムのところで講演会を行っていたとき。
今回も、前回もそうでしたが、プロジェクトに関わる人たちの思いに圧倒されます。
これからミッションの最終段階に入ります。成功を祈ります。
それにしても、前回は会社に行けと命じられたところで「はやぶさ」の話を聞き、今回は、電池をやっている技術者から「はやぶさ」の話を聞き・・・勝手な思い込みですが、「はやぶさプロジェクト」がみじかに感じられるようになりました^^;
さて、続きで講演のメモ書きを書いておきます。
講演は、「祈り」という番組を投影しながら解説していく形式とプレゼンテーション形式の2つに別れていましたが、関連するところはまとめました。
【】内は自分のコメントです。
- 番組「祈り」について
- タイトルに祈りとつけてしまうほど、危機的状況
- ロケット打ち上げ時のケーブル群
- アンビリカルケーブル・・・地上のコンセントから電池を満充電状態にしてる
- 「はやぶさ」の電池は宇宙用リチウムイオン電池、世界初!
- マーズエクスプレスは民生品用リチウムイオン電池
- 打ち上げ後の太陽パドルの展開
- 打ち上げから40分〜60分以内に展開しなければならない
- 電池が、そのくらいしかもたない・・・
- 【展開すれば充電できるが、失敗したらそれまでか。】
- 地球スイングバイ
- イトカワの形・・・
- アメリカが観測を行い、丸っこいと予想。
- 実際はごらんの通り、ラッコ型。
- イトカワに映る、「はやぶさ」の影
- 1回目の着地について
- 2回目の着地について
- センサーを甘くして降下
- ターゲットマーカーは2つ目を落とすことができたが、混乱させると判断し1つのみで決行
- この時点で姿勢制御系はボロボロ
- 最後は、太陽光に押してもらう、太陽光推進を利用
- 【太陽光による姿勢制御で運用しているのは知っていたけど、ここでも使っていたのね】
- クイックキスと海外で呼ばれた運用
- 連絡を絶つ「はやぶさ」
- シグナルが復活したときは、間違いじゃないかと思った
- 今まで反応がなかったのがウソのようなはっきりした信号
- 1bit通信運用でシステム再起動、成功している
- シグナルが復活したときは、間違いじゃないかと思った
- 電池の問題について
- リチウムイオンは11直列、うち4つに深刻なダメージ
- 充電は40日かけてやった・・・微弱電流によるもの・・・
- 【専門的な話だった。理解できたけど、周りはポカーンだろうなぁ・・・】
- イオンエンジンの問題について
- 【運用会議では「残念だが・・・」という話になると思っていたそうだ】
- 地球帰還
- 今やってること
- カプセル回収チームは訓練中。
- 苛酷な環境・・・寒いなか、アンテナ設営ができるか?人間が耐えられるか?
- 話題になっているが、不具合が原因でもある。
- 技術的には褒められたことではない
- 地球帰還ミッションが終わったらもう一度講演をやりたい